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林 真琴*; 菖蒲 敬久
Residual Stress, p.100 - 132, 2021/00
構造材料は使用中に疲労破壊したり、応力腐食割れを発生することがある。その原因の1つに構造材料の製造過程における熱処理や加工により発生する残留応力がある。その残留応力を測定する手法にはさまざまなものがある。本書では実験室X線や放射光X線、中性子に始まり、超音波や磁気的な手法による測定技術を紹介する。加えて、各種材料における加工や溶接による残留応力の測定例、実機における測定例、残留応力の静的および繰返し荷重による変化挙動、さらにはその変化挙動に基づく疲労余寿命の評価手法などを概説する。
鈴木 隆之*; 宇佐美 三郎*; 木村 孝江*; 小泉 興一; 中平 昌隆; 高橋 弘行*
Proceedings of 55th Annual Assembly of International Institute of Welding (IIW2002), 16 Pages, 2002/06
二重壁構造の核融合装置真空容器の外壁とリブ間を溶接するために新しい溶接継手を開発した。本継手は、外壁の外側より電子ビーム溶接を行う板厚貫通電子ビーム溶接(TW-EBW; Through-Wall Electron Beam Welding)で製造される。単軸負荷下の1本ビード試験片と曲げ負荷下の2本ビード試験片において静的及び疲労試験を行い、実験結果は有限要素法により解析的に検討した。本継手は不溶着部を有するけれども、溶着部の応力が3軸引張状態となる塑性拘束効果により継手の降伏応力が上昇する。この3軸引張状態が平均塑性相当応力を低下させ、継手母材断面あたりの強度を完全溶接継手の強度に近づける。本継手の低サイクル破断寿命における疲労強度減少係数は4より幾分大きい。また、継手部き裂の最大主応力拡大係数とASME Code XIで与えられている疲労き裂進展抵抗値より計算した継手部の疲労き裂進展速度は、実験結果を保守側に評価する。
小泉 興一; 中平 昌隆; 岡 潔; 伊藤 裕*; 高橋 弘行*; 多田 栄介; 伊尾木 公裕*; Johnson, G.*; 小野塚 正紀*; Y.Utin*; et al.
Fusion Technology, 34(3), p.586 - 590, 1998/11
原研は、ITERの7大工学R&Dの1つとして95年から進めてきたITER実規模真空容器セクタモデルの製作を97年9月に完了した。実機の18度分に相当する9度ずつの実寸大モデル2つを異なる製作法を用いて製作し、溶接歪みを最小に抑える溶接方式と組立方式の採用によって3mm以下の高い製作精度を達成した。製作完了後、原研内の試験架台にモデルを据え付け、現地溶接にてポート中央面で分割された2つのモデルと接続する組立作業を進めてきたが、本作業も本年5月末に完了した。組立試験は実機の初期組立を模擬した手順で行われたが、ガイドレール上に設置した複数台の自動溶接機で対称にD型断面を溶接するなどの方法により断面内及び溶接部の変形の均一化を図り、D型断面の変形量を3mm以内に抑えた。本件では、実規模セクタモデルの製作と組立試験によって得られた技術成果について報告を行う。
倉田 有司; 斉藤 貞一郎*; 辻 宏和; 高津 玉男*; 新藤 雅美; 中島 甫
JAERI-Research 97-032, 20 Pages, 1997/05
Ni-Cr-W系超耐熱合金を実用化する上で、残された課題である溶接用溶加材を開発するため、微量添加元素の量を調整して溶接割れ感受性を低下させ、手動TIG溶接により試作した3種類の溶接継手F,P5,P6の900~1050Cにおけるクリープ破断特性の評価を行った。試作継手のクリープ破断時間は、母材(1000C,10万時間のクリープ破断強度10.8MPa)と同程度かわずかに短く、高温で使用する溶接継手としてはかなり優れたクリープ破断強度を示した。溶接継手の破断位置は900Cでは母材、1000C,1050Cと高温になるに従い、溶接金属となった。ボイド、クラックは、母材あるいは溶接金属の結晶粒界に形成した。今後、自動TIG溶接用の溶接ワイヤの開発を行い、溶接性、クリープ特性、耐食性等に優れたNi-Cr-W系超耐熱合金用の溶加材を開発していく予定である。